
【奈村信孝】遂に出会えました。
奈村です。
昨日、恋焦がれていたあの子と運命の出会いを果たしました。
数ヶ月前から必死に猛アタックしても振り向いてくれない。
そんなもどかしい日々が続きました。
メールを通知を待ちながらも連絡が取れない毎日。
ごく稀に連絡が来ても内容はいつも同じ。
本当に辛かったです。
昨日、出会いは秋葉原。
たまたま付近を通りかかってそこに赴きました。
きっと運命の赤い糸で導かれたのでしょう。
ドアを潜って右側から強烈なオーラを感じました。
高鳴る胸の鼓動。震える手。
目を疑いました。
夢?
噂には聞いていました。この街にきっと居ると。
会いたかった。
信じられない私は思わず店員さんに話しかけてしましました。
『これ…新品ですか?』
彼はこう答えます。
『はい。』
噂はあった。ゲリラ販売があるって。
そう。
Switch2の。
ほんまにあったぞ!!!!
『在庫はこれだけですか?』と聞くと店員さんは
『これだけです』と。
ですがそこで悲劇が起きました。
5万overという価格。やはり一瞬躊躇してしまった。
その隙を突かれました。
後ろにいたカップルが購入したのです。
ーーーー終わった。
俺は…弱い。
世が世なら死んでいました。
戦場では一瞬の躊躇で己が命を落とします。
私はこの一瞬の躊躇いのせいでまたあの無限抽選地獄へと逆戻りすることとなったのです。
まるで『蜘蛛の糸』。
あぁ、次また出会えたらきっとその手を離さない。
もう迷わないのに。
そう思いました。
空になったショーケースを眺めながら。
ガラスに映るマヌケな自分の顔。
殴りたくなりました。
次の瞬間。
どうしてなのでしょうか。
私は普段では絶対にしない行動をしていました。
『これって…本当にもうないですか…?』
さっき在庫を確認したばかりです。
店員さんに『この一点のみ』と伝えられています。
なんて無駄な一声。なんて無駄な労力。
惨めな足掻きです。
現実を受け入れられない、己の弱さを受け入れられない愚者の最期の言葉でした。
すると店員さんは少し困った顔をしながらこう言います。
『…ちょっと待っててください。奥にあるか探してきます。』
その言葉を残し、店の奥へと去っていく彼の後ろ姿はまるで死地へと赴く戦士のような美しさがありました。
待つこと数分。
この数分がどれほど長く感じたでしょうか。
なんて無力なんでしょうか。
私にはもう待つことしかできない。
そんな時、人混みの向こうから彼が帰ってきました。
右手に大きな袋を持って。
『これが本当の最後です』
そう言いながら手渡されたSwitch2の感触を私は忘れることはないでしょう。
救いは、ありました。
世界はこんなにも慈愛に溢れている。
あぁ、これ以上何を望むというのか。
『ありがとうございます。ありがとうございます。』
私は泣いていました。(心の中で)
この反省をずっと忘れない為に。
2度とこの手から零れ落ちないように。
全てのSwitch2を求めている人へ。
いぇーーーーーーい!!!!!!!
おっ先〜!!!!!!!!ー!!!!!!
皆んなはまだまだ抽選頑張ってね〜!!!!!!!
✌️